資格じゃ無いけどかなり大事。
「防火管理者」って知っていますか?
やった事ない人には「今月、訓練やりまーす」の人としか見えてないかもしれません…。
そんな防火管理者に、愛を。
防火管理者とは何なのか?
防火管理者とは、多数の者が利用する建物などの「火災等による被害」を防止するため、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者を言います。
消防法では、一定規模の防火対象物(*1)の管理権原者(*2)は、有資格者の中から防火管理者を選任して、防火管理業務を行わせなければならないとされています。*1防火対象物:建築物や工作物など、火災予防の対象となるもの(の全体)をいいます。
一般社団法人 日本防火・防災協会
*2管理権原者:防火対象物の所有者や借受人、事業所の代表者など、管理行為を当然に行うべき者(防火管理の最終責任者)をいいます。
わかりやすく書くと
たくさんの人が利用する建物の火事などによる被害を未然に防いだり、火災の時に円滑に対応できるように、準備しておく人間のこと。
具体的には
- 消防計画の作成(結構なボリューム)
- 避難訓練の実施(年2回)
- 消防設備の点検(年2回)
- 火気使用、取り扱いの監督
- 避難・防火設備の維持管理
- 収容人員の管理
結構やることありますよね。
どんな建物に必要か?
その建物の用途、利用者によって変動しますが、広さ300㎡で収容人数が30人以上であれば必要なパターンが多いです。
基本的にはその建物にいる人がなる
いつ起きるかわからない火災に対してあらかじめ準備をしておくことがメインなので、基本的にはその建物にいる人が防火管理者の講習を受けて、諸々の段取りをします。
新規で介護施設などを建設した場合、その管理者さんが兼任されることも多いようです。
防火管理者、結構大変なんです
この記事を読んでくださってる人の中で、現・防火管理者だったり元・防火管理者だったりする人もいらっしゃるかもしれません。
この見出しを見て、うんうん頷く人はテナントビルの防火管理経験者だったり、新築の建物の防火管理者になった事のある方だと思います。
テナントビルは、出店されている全ての店舗に避難訓練の連絡をしたり、避難経路に置かれた荷物の移動をお願いしたりしなければいけませんし、閉店・開店のたびに消防計画の修正もしなくてはいけません。
新規の建物は、消防計画を根っこから作成する必要があります。
ぜーんぶ手書きです。
避難訓練の段取り、イメージとしてはシナリオを作成するのも防火管理者です
半年に1回をフワッと忘れがち
- 避難訓練の実施(年2回)
- 消防設備の点検(年2回)
これ、必須なんですけど半年に1回という絶妙に忘れがちなタイミングで来ます。
通常の業務に忙殺されていると、気づいた頃には過ぎていたり…。
あわてて段取りするのも結構な労力使ったりします。
防火管理者あるある(ニッチですが)の一つ。
空き物件の多いテナントビル
防火対象の建物の中でも、ビルオーナーさんからしたら悩ましいのは「空き物件の多いテナントビル」
なぜか?
空き物件でも、その階全て閉鎖区画にしない限り防火対象となるので管理・点検が必要なのです。
一口に閉鎖と言っても、エレベーターの設定変更や出入り口の封鎖も絡み非常に面倒です。
これにエレベーターの老朽化がさらに絡むと、もしテナント入居があった場合に復旧するにあたっての費用が嵩みます。(結構な金額です)
そんなテナントビルの管理、やってます。
うちの会社の不動産事業の関連で「防火管理者アウトソーシング」と記載しているのですが、要は私がその講習の修了者(甲種)なので、このような建物の防火管理関連の事を代わりにしますよーという事です。
実際、現在進行形で福山市中心部の6階建てビルの防火管理をさせていただいています。
最後に
皆さんの周りにも、防火管理者は必ずいます。
もし、それを知った時は心の中で「あー、避難訓練の段取りとか計画書とかこのひとがんばってんのなぁ」ってサラッとだけでも思い出してください。それだけでも救われた気持ちになります笑
防火管理関係の相談や、依頼はメールフォームから承ります。
また、市役所などから老朽化したビルとして指摘された、所有ビルについての改善報告書の作成なども対応可能ですので、こちらもお気軽にご相談ください。