「ブログ用に、ネットで見つけた画像を使ってもいいのかな」 「他のサイトに書いてあった説明文、ちょっと参考にしたいけど大丈夫?」
ホームページやブログを自分で更新していると、こうした場面に何度も出くわします。いちいち確認するのも手間ですし、「みんなやっているから」と、つい見て見ぬふりをしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、画像や文章には基本的に著作権があり、無断で使うとトラブルにつながる可能性があります。この記事では、著作権法の条文をもとに、ホームページ制作でよくある著作権の注意点を整理しました。フリー素材の落とし穴や、文章を引用するときのルール、すでに使ってしまった場合の対応まで、順番に見ていきます。

他サイトの画像や文章を無断で使うと、法律上どうなる?
まず押さえておきたいのは、画像や文章には、作った人(または撮った人)に著作権があるという原則です。著作権法第21条では、次のように定められています。
> 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
つまり、他人が撮った写真や書いた文章を無断でコピーしてホームページに載せる行為は、原則として著作権者の許諾が必要な「複製」にあたります。
「個人的に使うだけなら大丈夫」と思うかもしれませんが、著作権法第30条が認めている「私的使用」の例外は、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」で使う場合に限られています。ホームページやブログは誰でも見られる「公開」の場なので、この例外には当てはまりません。
無断使用が著作権侵害にあたると判断された場合、著作権者から削除や使用の停止を求められたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。著作権法第119条では、著作権を侵害した者に対して「十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金」という罰則も定められています。実際にここまで重い罰則が適用される事例は限られますが、法律上はこうしたリスクがある行為だと理解しておくことが大切です。
「フリー素材」でも、確認せずに使うと危ない理由
「フリー素材サイトから持ってきたから大丈夫」と考えている方も多いのですが、ここにも落とし穴があります。
「フリー」という言葉には、
- 著作権そのものが消滅している、という意味
- 著作権は残っているが、使用料を払わなくてよい、という意味
の2つの意味が混在しています。多くのフリー素材サイトは後者で、著作権自体は提供元やクリエイターに残っています。つまり、サイトが定める利用規約の範囲内でしか使えません。
サイトごとに規約の内容は異なりますが、特に次の3点は確認しておきたいポイントです。
- 商用利用できるか:個人利用のみで、仕事のホームページには使えない素材もあります
- クレジット表記が必要か:表記が必要な場合、書き方まで指定されていることがあります
- 加工・再配布に制限があるか:大きく切り出したり改変したりすることが禁止されている場合があります
規約は後から変更されることもあるため、「どのサイトから、いつ、どの条件で入手したか」を控えておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
ホームページを外注する場合、こうした素材の権利関係をどちらが用意するのか、事前に制作会社と役割分担を決めておくと安心です。
他サイトの文章を使いたいときは、「引用」のルールを守る
他サイトの説明文や統計データを参考にしたい場合、著作権法が認める「引用」のルールに沿っていれば、著作権者の許諾なく使うことができます。著作権法第32条には、次のように定められています。
> 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
ここで注意したいのは、「出典を書いておけば引用として認められる」わけではないという点です。引用元を明示することは、著作権法第48条で求められている別の義務であり、それだけで「正当な範囲内」の条件を満たすわけではありません。自分の文章が主で、引用部分はそれを補足する範囲にとどめること、どこからどこまでが引用部分かが分かるように区別することなど、全体として引用にふさわしい使い方になっているかを意識する必要があります。
他サイトの文章を、言い回しだけ変えてほぼそのまま載せる行為は、引用とは言えず、著作権侵害にあたる可能性があります。参考にする場合は、内容を自分の言葉で整理し直すことを基本にするのが安全です。
ホームページ制作・運用でチェックしておきたいポイント
ここまでの内容を踏まえて、実際にホームページを作る・運用するときに確認しておきたいポイントをまとめます。
- 自分で撮影した写真、自分で書いた文章を基本にする
- 他サイトの画像・文章を使う前に、権利者やフリー素材サイトの規約を確認する
- フリー素材を使った場合、入手元・利用条件を記録として残しておく
- 他サイトの文章を参考にする場合は、引用のルールに沿っているか確認し、出典を明示する
- 外注する場合は、素材の準備をどちらが担当するか、契約前に制作会社とすり合わせる
一度公開したホームページも、時間が経つと、どの画像をどこから入手したか分からなくなってしまうことがあります。定期的にサイト全体を見直すタイミングで、使っている画像・文章の出どころも一緒に確認しておくと安心です。
すでに使ってしまった画像や文章に気づいたら
この記事を読んで、「もしかして、うちのサイトにも権利関係が怪しい画像があるかも」と気づいた方もいるかもしれません。その場合は、慌てて隠そうとせず、次のように対応するのがおすすめです。
- 該当する画像・文章を特定し、権利関係を改めて確認する
- 権利者の許諾が確認できない、または取得が難しい場合は、使用をやめて別の素材に差し替える
- 権利者から連絡があった場合は、誠実に対応し、必要に応じて弁護士など専門家に相談する
早めに気づいて対応すれば、大きな問題に発展する前に解決できることがほとんどです。「指摘されたら対応すればいい」と先延ばしにせず、気になった時点でチェックしておくことをおすすめします。
よくある疑問
Q. 著作権マークや注意書きがない写真・文章は、自由に使えますか? A. いいえ。著作権は、作品が作られた時点で自動的に発生するものであり、マークや注意書きの有無とは関係ありません。「何も書かれていないから自由に使える」とは判断できません。
Q. 古い写真や文章なら、自由に使ってもいいですか? A. 著作権法上、著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年とされています。古いものであっても、保護期間内かどうかは個別に確認が必要で、「古いから自由に使える」と一律には言えません。
Q. 「著作権フリー」と書かれた素材サイトなら、何も確認せずに使って大丈夫ですか? A. サイトによって利用規約の内容が異なるため、確認は必要です。「フリー」が「商用利用も含めて何をしても自由」という意味ではなく、「使用料が不要」という意味で使われている場合もあります。
Q. 引用元のサイト名やURLを書いておけば、文章をそのまま使っても問題ありませんか? A. 出典の明示だけでは、引用として認められるための条件をすべて満たすわけではありません。自分の文章が主になっていること、引用部分が必要な範囲にとどまっていることなども合わせて確認する必要があります。
まとめ
- 画像や文章には著作権があり、ホームページへの無断使用は、著作権法上の「複製」にあたる可能性がある
- 「私的使用」の例外は個人・家庭内などに限られ、誰でも見られるホームページには当てはまらない
- 「フリー素材」でも著作権自体が消滅しているわけではなく、サイトごとの利用規約(商用利用・クレジット表記・加工の可否)を確認する必要がある
- 他サイトの文章を参考にする場合は、著作権法が定める「引用」のルール(公正な慣行・正当な範囲・出所の明示)に沿っているか確認する
- すでに使ってしまった画像・文章に気づいたら、早めに権利関係を確認し、必要に応じて差し替えや専門家への相談を検討する
ホームページ制作をご依頼いただく際は、こうした素材の権利関係についても一緒に確認しながら進めています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

