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リフォーム・不動産管理事業 関連

店舗の内装工事と防音対策、何を確認すればいい?

「店舗を開くにあたって、近隣への音が気になる」 「防音対策は必要だと思うけれど、何をどこまでやればいいのか分からない」

飲食店やカラオケ、楽器店、ジムなど、音が出やすい業種で店舗を開く場合、内装工事の段階から防音対策を考えておくことが、開業後の近隣トラブルを防ぐうえで重要になります。

この記事では、店舗の内装工事で防音対策を考えるときに知っておきたい基本的な枠組みと、工事前に確認しておきたいポイントを整理しました。

店舗の内装工事と防音対策で確認したいこと。工事中の騒音・営業開始後の騒音・防音対策の考え方を整理した図

防音対策を考える前に知っておきたい「2つの騒音」

店舗の内装工事をめぐる騒音の問題は、大きく2つの場面に分けて考えると分かりやすくなります。

1. 工事中に出る騒音:解体や造作工事そのものから出る音 2. 営業を始めたあとの騒音:音楽や話し声、機械音など、店舗の営業活動から出る音

このどちらも、騒音規制法や各自治体の条例によって一定の基準・手続きが定められています。それぞれ見ていきます。

工事中の騒音:「特定建設作業」の届出が必要な場合がある

騒音規制法では、くい打ち機やジャイアントブレーカーなど、著しい騒音を出す機械を使う作業のうち政令で定めるものを「特定建設作業」として規制しています。対象になる作業を行う場合は、作業開始の7日前までに自治体へ届出をする必要があります(1日で終わる作業は対象外です)。

ただし、対象になる機械は、くい打ち・杭抜き機や一定出力以上のバックホウ・ブルドーザー、大型の空気圧縮機やコンクリートプラントなど、大規模な土木・建築工事で使うものが中心です。一般的な店舗の内装工事(内部の解体・造作・設備工事)では、こうした大型機械を使わないケースが多く、届出が不要になることも少なくないと考えられます。

一方で、解体工事で一定出力以上の電動ブレーカーなどを使う場合は対象になる可能性もあります。実際に自分の工事が該当するかどうかは、施工会社に確認してもらったうえで、所轄の自治体(環境保全担当課)に確認するのが確実です。

営業を始めたあとの騒音:用途地域ごとの規制基準と深夜の使用制限

店舗の営業が始まったあとの騒音についても、騒音規制法や自治体の条例で基準が定められています。

  • 用途地域ごとの規制基準:工場・事業場からの騒音・振動には、用途地域や時間帯によって異なる規制基準が定められています。住居系の用途地域ほど基準が厳しくなる傾向があり、商業地域・工業地域では基準が緩やかになる傾向があります。具体的な数値は自治体ごとに異なるため、物件の用途地域と基準値は自治体の窓口で確認することをおすすめします。
  • 深夜のカラオケ・音響機器等の使用制限:東京都の環境確保条例では、都内全域で午後11時から翌朝6時まで、飲食店営業におけるカラオケ装置・拡声装置・楽器等の使用が原則禁止されています。同様の夜間営業騒音規制は、他の自治体の条例にも見られます。

このうち、深夜の使用制限には例外があります。江戸川区の案内によると、外部に音が漏れないよう防音対策が施されている場合は、地域別の音量基準を超えないことを条件に、深夜でも使用できるとされています。つまり、防音対策をきちんと行うことが、営業時間の制限を受けずに営業を続けられるかどうかに直結する場合があるということです。

なぜ「トラブルが起きてから」ではなく「工事前」に考えるべきか

浜松市の案内では、騒音苦情が発生してから対策を立てると、余分な費用や時間がかかるうえ、近隣との感情的な対立から解決が難しくなりやすいとされています。防音工事は、内装がすべて仕上がったあとに追加で行うよりも、壁・天井・床の下地が見えている内装工事の段階で組み込むほうが、工事の範囲も費用も抑えやすいのが一般的です。

音が出やすい業種(飲食店、カラオケ、楽器店、ジム、ライブ音楽を扱う店など)で開業する場合は、内装工事の打ち合わせの早い段階で「どの程度の音が出る想定か」「近隣にどんな建物があるか」を施工会社に伝え、防音対策を含めたプランを提案してもらうことをおすすめします。

防音対策の基本的な考え方

防音対策を検討する際は、音の種類によって対策すべき場所が変わることを知っておくと、施工会社との打ち合わせがスムーズになります。

  • 空気伝搬音(話し声・音楽・機械音など):壁・天井を含めた対策が必要とされています。窓やドアなどの開口部は音が抜けやすい部分とされ、防音サッシや二重ドアなどで開口部を補強することから始めるケースもあります。
  • 固体伝搬音(足音・振動など):床の工事(防振材・遮音フローリングなど)が効果的とされています。

浜松市が案内している対策例としては、防音・二重サッシ、二重ドアと前室(ロビー)の設置、音響機器の音量を固定する仕組み、壁・天井への吸音材の使用、換気扇の静音化などが挙げられています。

なお、建材ごとの遮音性能や防音工事の費用相場については、業種や物件の構造によって条件が大きく異なるため、本記事では具体的な数値を示していません。実際の対策内容と費用は、施工会社に現地を見てもらい、想定する音の種類・大きさを伝えたうえで見積もりを取ることをおすすめします。

内装工事を依頼する際に確認しておきたいポイント

防音対策を含めて内装工事を依頼する際は、次の点を施工会社に確認しておくと安心です。

  • 近隣の建物との位置関係を伝えているか:隣接する建物の用途(住宅・店舗など)や距離によって、必要な対策が変わります
  • 想定する音の種類・時間帯を伝えているか:日中だけの営業か、深夜営業も行うかによって、確認すべき規制が変わります
  • 特定建設作業に該当する工事かどうかを確認したか:大型の解体機械を使う場合は、届出の要否を自治体に確認しておく必要があります
  • 用途地域の規制基準を確認したか:物件所在地の用途地域と、時間帯ごとの規制基準を自治体に確認しておくと、開業後の対応に余裕が持てます

よくある疑問

Q. 防音工事をすれば、近隣トラブルは完全に防げますか? A. 防音対策は近隣トラブルを減らすうえで効果的とされていますが、完全に音を消せるわけではありません。あわせて、営業時間や音量への配慮、近隣との日常的なコミュニケーションも大切だとされています。

Q. 自分の店舗が特定建設作業の届出対象かどうか、どこに確認すればいいですか? A. 施工会社に使用する機械・工法を確認してもらったうえで、物件所在地の自治体(環境保全担当課など)に相談するのが確実です。

Q. テナント(賃貸物件)の場合、防音対策に関する制限はありますか? A. 賃貸物件では、防音のための工事内容について、契約書の特約や貸主(オーナー)の事前承諾が必要になる場合があります。内装工事全般の契約上の注意点は、別記事でも整理しています。

まとめ

  • 店舗の内装工事をめぐる騒音は、「工事中に出る騒音」と「営業開始後に出る騒音」の2つの場面で考える
  • 大型機械を使う解体・建設作業は「特定建設作業」として、作業開始7日前までの届出が必要になる場合がある。一般的な店舗の内装工事では該当しないケースも多いが、該当の有無は施工会社・自治体に確認する
  • 営業開始後は、用途地域ごとの規制基準や、深夜のカラオケ・音響機器等の使用制限が関わってくる。防音対策を施すことで使用制限の例外になる場合もある
  • 防音対策は、トラブルが起きたあとよりも、内装工事の計画段階で組み込むほうが範囲・費用を抑えやすい
  • 具体的な基準値・届出の要否・費用は、物件や業種によって異なるため、施工会社や所轄の自治体に確認することをおすすめする

当社(NACOSE)でも、内装工事の代理店業務を行っています。防音対策を含めてどこから確認すればいいか分からない段階からでも、お話をうかがいながら進め方を整理できますので、お気軽にご相談ください。

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