「ChatGPTは使ったことがあるけれど、最近よく聞くAIエージェントとは何が違うの?」
こんな疑問を持つ方は多いと思います。結論を先にお伝えすると、違いはおおまかに次のとおりです。
- 生成AI:こちらの質問や指示に対して、文章や画像などを作って返してくれる
- AIエージェント:目標を伝えると、必要な手順を考え、道具を使いながら作業そのものを進めてくれる
つまり「答えてくれる」のが生成AI、「作業まで進めてくれる」のがAIエージェントです。この記事では、仕事での使い方をイメージしながら、この違いを整理します。
生成AIとAIエージェントの違いをひと言で
公的機関の資料でも、この2つはこう整理されています。情報処理推進機構(IPA)のコラムによると、AIエージェントは一般に「ユーザーから与えられた指示に基づき、自律的に問題解決やタスク実行を行うソフトウェア」と紹介されています。ただし、厳密な定義はまだ確立していないとも書かれています。
同コラムでは、従来型の生成AIとAIエージェントを次の4点で比べています。
| 観点 | 生成AI(従来型) | AIエージェント |
|---|---|---|
| 目的 | コンテンツを生成し、利用者の作業を助ける | 特定の目標の達成を目指し、タスクを自分で進める |
| できること | 指示に応じて情報を返す、簡単な作業をこなす | 複数の手順からなる作業を実行し、状況に合わせて判断する |
| 外部との連携 | Web検索など一部にとどまる | 外部のシステムやAPIなどと高度に連携できる |
| 使われ方の例 | チャット、要約、翻訳、調査など | カスタマーサポート、営業活動の支援など |
(出典:IPA「SDS技術コラム:AIエージェント」2025年7月8日公開)
表だけだと少し固いので、次から具体例で見ていきます。
具体例で見る違い:同じ「見積書を作りたい」でも
たとえば、取引先への見積書づくりを考えてみます。これは一般的な例えで、特定の製品の動作を説明するものではありません。
生成AIを使う場合 1. 見積書に入れる項目や文面の案を、AIに考えてもらう 2. 返ってきた文章を、自分でコピーして書類に貼り付ける 3. 保存・送付など、実際の作業は自分で行う
AIエージェントを使う場合 1. 「この条件で見積書を作って」と目標を伝える 2. AIが必要な手順を考え、ファイルの作成や整理まで進める 3. 人は、できあがったものを確認して判断する
違いは「AIが画面の中で答えを出すところまで」か、「実際の作業の中に入って手を動かすところまで」か、という点にあります。

AIエージェントは生成AIとは別物?
別物というより、AIエージェントは生成AIの上に作られていることが多いと考えると分かりやすいです。文章を理解して作る力は生成AIが担い、その力を使って「次に何をするか」を決めて作業を進める仕組みがAIエージェントです。
また、チャット型のAIにも少しずつ作業の機能が加わっており、「ここからが生成AI、ここからがエージェント」とはっきり線を引けない場面も増えています。これは筆者の見方ですが、名前で区別するより、「どこまで自分で操作し、どこから任せるか」 で考えたほうが、仕事では役に立ちます。
AIエージェントの一例:Claude Code
当社が導入のお手伝いをしている「Claude Code」も、AIエージェントの一種です。公式ドキュメントでは、ファイルを読み、編集し、コマンドを実行し、さまざまなツールと連携できるエージェント型のツールと説明されています。
公式の説明で確認できる主な特徴は次のとおりです。
- 日本語や英語など、普段の言葉で「やりたいこと」を伝えられる
- 複数のファイルをまたいで作業できる
- 外部のツールやデータとつなげられる(MCPという共通の仕組みに対応)
- 毎朝・毎週など、決まった時間に作業を実行させられる
名前に「Code(コード)」とあるように、もともとはプログラムを書く人向けのツールです。ただ、ファイルの整理や定型作業の自動化など、事務的な作業にも応用が考えられます。どこまで自社の仕事に当てはまるかは、業務の中身によって変わります。
どちらを使えばいい?向いている場面の目安
あくまで目安ですが、次のように考えると選びやすくなります。
生成AIが向いている場面
- 文章の下書き、言い換え、要約をしたい
- アイデア出しや調べものの相談をしたい
- 作業は自分で進めたい。AIには案だけほしい
AIエージェントが向いている場面
- 毎回同じ手順を繰り返している作業がある
- 複数のファイルやツールをまたぐ作業がある
- 「やりたいこと」だけ伝えて、途中の作業は任せたい
最初から大がかりなものを入れる必要はありません。まずは生成AIで文章作成や調べものに慣れ、「この作業、毎回同じことをしているな」と感じたものから、エージェントに任せる範囲を広げていく進め方が現実的です。
どの業務がAIで楽になりそうか分からない場合は、当社の無料診断が目安になります。
使う前に知っておきたい注意点
作業まで進めてくれる分、AIエージェントには生成AIとは違う気をつけどころがあります。
- 任せる範囲を決める:ファイルの変更や外部とのやり取りまでできる分、どこまで触らせるかを先に決めておく
- 結果は人が確認する:AIは間違えることがある。大事な書類や送信前のものは、必ず自分の目で確かめる
- 機密情報の扱いに注意する:どの情報をAIに渡すか、社内でルールを決めておく
- 最初は小さく試す:影響の小さい作業から始めて、様子を見ながら広げる
人手を減らすことを目的にするより、まず「任せても困らない作業」から試すのが安全です。人件費との関係については、別の記事で詳しく整理しています。
よくある疑問
ChatGPTはAIエージェントですか?
ChatGPTは生成AIの代表的なサービスとして知られています。最近はサービス側に作業を代行する機能が加わる動きもあり、一概には言い切れません。使うサービスの公式説明で、何ができるかを確認するのが確実です。
AIエージェントなら何でも自動でやってくれますか?
そうとは限りません。向き不向きがあり、人の確認が必要な場面も多くあります。「全部おまかせ」ではなく、「手間のかかる部分を手伝ってもらう」くらいの感覚が、現実に近いと思います。
設定が難しそうで心配です
AIエージェントは、使いこなすまでの設定が壁になることがあります。当社では、Claude Codeの説明から導入までをお手伝いしています。お客様に「やりたいこと」を伝えていただければ、設定などの細かい作業は当社で行います。料金は、ヒアリングのうえ個別にお見積りします。
まとめ
- 生成AIは、質問や指示に答えて文章などを作ってくれるAI
- AIエージェントは、目標を伝えると、手順を考えて作業まで進めてくれるAI
- 2つの境界は絶対ではない。「どこまで任せるか」で考えると選びやすい
- 使うときは、任せる範囲の設定と、結果の確認を忘れない
「自分の仕事だとどう使えるのか」を一緒に考えるところからでも、お気軽にご相談ください。


