「AIを入れれば人件費が減らせるのでは」と考える経営者の方は多いと思います。
先にお答えすると、削減できる部分はあります。ただ、「人を減らす」ことを目標にすると、うまくいきにくいというのが私たちの考えです。この記事では、その理由と、現実的な進め方をお伝えします。
そもそもAIエージェントとは?
チャットで質問に答えてくれるAIと違い、AIエージェントは、パソコンの中で実際に作業まで進めてくれるAIです。
たとえば当社が導入をお手伝いしている「Claude Code」は、公式ドキュメントでは、ファイルを読んで編集し、コマンドを実行して作業を進めるツールと説明されています。決まった作業を自動化したり、時間を決めて繰り返し実行させたりすることもできます。
「人に頼んでいた定型作業を、AIに任せられる」というイメージです。
人件費が気になるのは、数字にも表れています
人件費の悩みは、気のせいではありません。
- 2025年度の最低賃金は、全国加重平均で1,121円です。前年度から66円上がり、これは目安制度が始まって以来の最大の引き上げ幅でした(厚生労働省)
- 2025年の「人手不足」を原因とする倒産は397件で、過去最多でした。このうち「人件費高騰」が原因のものは152件、「従業員退職」は110件です(東京商工リサーチ調べ)
「人を雇えない」「雇っても負担が重い」という状況が、経営に直接影響している企業が増えています。
結論:人件費は「減る」というより「増やさずに済む」場面が多い
AIエージェントで期待しやすいのは、次のような効果です。
- 事務作業に使っていた時間が空く
- 新しく人を雇わなくても、仕事量の増加に対応できる
- 担当者が休んでも、定型作業が止まりにくくなる
つまり「今いる人を減らす」より、「空いた時間を、売上につながる仕事や、人にしかできない仕事に回す」ほうが、中小企業では現実的で、効果も出やすいと考えています。(ここは筆者の考え方です)
なお、具体的に何時間減る、いくら下がる、といった数字は、会社の業務内容によって大きく変わります。一般的な平均値を当てはめることは難しいため、この記事では示しません。
AIに任せやすい仕事、任せにくい仕事
| 任せやすい仕事 | 人が担当したほうがよい仕事 |
|---|---|
| 毎回ほぼ同じ手順の作業 | 判断に責任が伴う仕事 |
| データの転記・集計 | お客様との信頼関係をつくる対応 |
| 文章の下書き、ひな形づくり | 例外やトラブルへの対応 |
| 定期的に繰り返す作業 | 最終的な確認・承認 |
AIは間違えることもあります。そのため、最終確認は人が行う前提で組み立てるのが安全です。
「安くなる」と思い込んで失敗しないための注意点
- 導入費用や利用料がかかります。 削減できる時間の価値と比べて、見合うかを先に考えましょう
- 導入して終わりではありません。 業務の変更に合わせて、設定を見直す必要があります
- 何にでも効くわけではありません。 手順が決まっていない仕事は、先に整理する必要があります
- 社内で使い方を決めておきましょう。 総務省の白書によると、生成AIの活用方針を定めている日本企業は、2024年度で49.7%でした。半数ほどの企業は、まだ方針が決まっていません
何から始めればいいか
いきなり導入を決めるより、次の順番をおすすめします。
1. 日々の業務を書き出し、時間がかかっているものを見つける 2. その中から「毎回同じ手順」の作業を選ぶ 3. 小さく試して、効果を確認する
最初の「どの業務がAIに向いているか」が分からない場合は、無料の「NACOSE AI業務診断」が目安になります。
当社で実際にChatGPTを業務に取り入れたときの様子は、こちらの記事にまとめています。
導入のご相談について
当社では、Claude Codeの説明から導入までをお手伝いしています。お客様には「やりたいこと」を伝えていただければ、設定などの作業は当社で行います。
費用はご相談内容をヒアリングしたうえで、個別にお見積りします。「うちの仕事でも使えるのか」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
まとめ
- AIエージェントで削減できる業務はあるが、「人を減らす」より「人手を増やさず回す」ほうが現実的
- 任せるのは、手順が決まった定型作業から。最終確認は人が行う
- まずは業務を書き出し、小さく試して効果を確かめる

